『道をひらく』著:松下幸之助

息子たちに遺言本として選んだ2冊目は大道松下幸之助さんの『道をひらく』。
長男と次男は3月の二日違いの誕生日。
長男は既に社会人を数年経験していて、日頃から本を読んでたりセミナーに参加したり真面目に努力をしているので、もっと深いところの本をプレゼントしようと前から思っていた。

2022年8月には稲盛和夫さんが亡くなったこともあり、本屋さんには稲盛さんの名著が山積みとなった。稲盛さんも私の心の支えだったので、その中で何か…と思ったけれど、現在の子どものことを考えるともう少し後にしようと思い、選んだのがこの本だった。
 幸之助さんの『道をひらく』は本当に深い。
 シンプルで、読みやすく、解りやすい。「ハードルが低いのに内容が深い」それに尽きる。
稲盛さんも若かりし頃、松下さんのセミナーに行って衝撃を受けた、と言っているように大きく影響力を受けているのでその思考は共通点が多いけれど、真髄といえばやはりこの本かと思い長男に選んだ。
 私も久しぶりに読んでみて、また更に深く考えさせられた。日々、読み返してもイイかもしれない。1回だけではなく何べんも読み返していくとイイ。

 20代後半の長男には特に「志を立てよう」の言葉を贈りたい。
「本気になって、真剣に志を立てよう。命をかけるほどの思いで志をたてよう。」
「大事なことは、自らの志である。自らの態度である。千万人といえども我ゆかんの烈々たる勇気である。実行力である。」
「自分のためにも、他人のためにも、そしてお互いの国、日本のためにも。」

 う~ん、しびれるではありませんか!
厳しさと優しさを混在させた言葉の中には、許容と共に人を元気づける種がある。一歩間違えると、許容とは諦めの境地と同居するところに行ってしまいがちであるけれど、そうではない。許容するために、厳しさを突き付ける。その生き方が、カッコいい。
「志を立てよう」、そういう言葉をちゃんと子どもに伝えてあげられるようなカッコイイ大人になろう。私はよく「夢をみよう、夢は何?」ということを言ってきたが夢よりも志は強い印象愛情をもっている。ン?夢と志って、考えてみれば全然違うよね~?

・夢と志の違いって?
・孫正義さんの言葉

ゆめ【夢】の解説

  1.  睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。視覚像として現れることが多いが、聴覚・味覚・触覚・運動感覚を伴うこともある。「怖い―を見る」「正 (まさ) ―」
  2.  将来実現させたいと思っている事柄。「政治家になるのが―だ」「少年のころの―がかなう」
  3.  現実からはなれた空想や楽しい考え。「成功すれば億万長者も―ではない」「―多い少女」
  4.  心の迷い。「彼は母の死で―からさめた」


こころーざし【志】の解説

    1. ㋐ある方向を目ざす気持ち。心に思い決めた目的や目標。「―を遂げる」「事、―と異なる」「―を同じくする」「青雲の―を抱く」
    2. ㋑心の持ち方。信念。志操。「―を高く保つ」
  1.  相手のためを思う気持ち。厚意。「―を無にする」「お―はありがたいが、辞退します」
    1. ㋐謝意や好意などを表すために贈る金品。「ほんの―ですが、御笑納ください」
    2. ㋑香典返しや法事の引き出物、僧への布施の包みの表に書く語。→寸志
  2.  心を集中すること。注意。
    1. 「―はいたしけれど、…上の衣 (きぬ) の肩を張り破りてけり」〈伊勢・四一〉
goo辞書

 こうやって改めて辞書で意味を確認すると、全然違いますね!夢、儚いです~

「今でも、はっきり覚えています。“志”と“夢”の違いを聞かれてドキッとしました。似ているようだけれど何だろうと頭にクエスチョンマークが浮かびました。

すると、先生は、こうおっしゃいました。『“夢”というのは漠然とした個人の願望だ。車を買いたい、家を持ちたいといった夢はみんな、個々人の未来への願望。でも、その個々人の願望を遙かに超えて、多くの人々の夢、多くの人々の願望をかなえてやろうじゃないかという気概を“志”というんだ。

夢は快い願望だが、志は厳しい未来への挑戦だ。だから、“志”と“夢”ではまったく次元が違うぞ。“夢”を追うなんて程度の男になってはいかん。“志”を高く持て!』と」

孫さんは、野田さんのこの言葉に衝撃を受けることになったと言います。

「事業は高い“志”を持ってやらなければいけない。自分の商売、自分の会社経営という個人的次元で終わってはいけない、そう教えていただいたのです」

ForbesJAPAN 孫正義流「成長」への心得

偉人たちの言葉はとてつもなく深くて説得力があります。言葉は人から生まれてくる。その人が紡ぐ言葉はその人自身だとよく思う。大人たちが子どもに伝える言葉は、もっと大事にしなければ…。国語って、本当に大事。
 これから私も人材紹介の仕事をする上で、大事にしよう、と改めて思う。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次